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タスデータコラム › オープンデータの出典表記

オープンデータを商用利用するときの出典表記のやり方 — 政府データとOpenStreetMapの作法を整理する

2026年8月15日 / 最終更新 2026年8月15日
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監修:タスデータ(住所・地図データの専門チーム)
公的データとOpenStreetMapを加工してCSV・Excelに列を追加し、出典付きで届けている立場から、出典表記のルールを整理します。

ここでは、オープンデータを商用の成果物に使うときに出典表記でそろえておく点を整理します。「政府のデータだから自由に使える」「オープンデータだから出典は書かなくていい」という理解は、どちらも規約の実物とはずれがあります。国のデータ(e-Stat・国土数値情報)とOpenStreetMapでは、根拠となる規約も出典の書き方の型も別物です。論点を順に並べていきます。

論点1: 政府データに共通するルール — 政府標準利用規約2.0版というベース

e-Statや国土数値情報を含む多くの政府データは、政府標準利用規約2.0版という共通ルールの上に成り立っています。この規約では、複製・公衆送信・翻訳・変形等の翻案が自由と定められており、商用利用も可能と明記されています。条件として付いているのが出典の記載で、規約に示されている記載例は「出典:A省ウェブサイト(該当ページのURL)」という形です。まず押さえるべきは、この「出典さえ書けば商用でも使える」という骨格です。

論点2: e-Statの出典表記 — 記載例と、加工時に足す一文

e-Statの利用規約には、出典記載の具体例として「出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)」という文言が示されています。データをそのまま転記するのではなく加工して使う場合は、この出典表示に加えて「『○○調査結果』(A省)を加工して作成」のような、加工した事実の表示が必要と定められています。加工した情報を、あたかも国や府省自身が作成したかのように見せることは認められていません。

付け加えると、e-Statのこの利用ルールはクリエイティブ・コモンズ表示4.0国際(CC BY 4.0)と互換性があり、CC BYのルールに従う形でも利用できるとされています。CC BYに慣れている場合は、そちらの型で出典を書くという選択肢もあることになります。

論点3: 国土数値情報の出典表記 — 記載例と、データごとの条件差

国土数値情報の利用規約にも、出典記載例が示されています。基本形は「出典:国土交通省国土数値情報ダウンロードサイト(当該ページのURL)」で、加工して使う場合は「『国土数値情報(○○データ)』(国土交通省)(当該ページのURL)をもとに○○株式会社作成」という記載例が示されています。

ここで見落としやすいのが、この利用規約が全データに一律で適用されるわけではない点です。国土数値情報利用規約は、個別ページの「このデータの使用許諾条件」欄に別途の記載があれば、そちらに従うと定めています。つまりデータセットごとに条件が異なりうるということです。

実際、「商用可」「非商用」という利用許諾条件が付くデータについては、別途「旧国土情報利用約款準拠版」に従うと明記されており、一部のデータは商用利用ができない場合があります。基本の記載例をそのまま当てはめる前に、対象データの個別ページにある使用許諾条件欄が確認の対象になる、という整理になります。

論点4: OpenStreetMapの出典表記 — ODbLというもう一つの体系

OpenStreetMapのデータは、政府データとは別の体系にもとづきます。データを利用する際は「OpenStreetMap」へのクレジット表記が必須で、推奨されている文言は「© OpenStreetMap contributors」です。クレジットはopenstreetmap.org/copyrightへのリンクにすることが推奨されており、このページにODbLライセンスの情報とデータソースの記載があります。印刷物で利用する場合は、このURLを印字することが求められます。

表示位置についても目安が示されています。インタラクティブな地図は地図の隅(多くは右下)への表示が基本で、静止画像であれば複数枚をまとめて1箇所に表示することも認められています。100枚未満の小規模な利用や、10,000m²以下の領域を扱う場合は、表示を省略できるとされています。

OpenStreetMapのライセンスであるODbL(Open Database License)は、データベースから生成した統計値や文章などの成果物(Produced Work)と、生データをそのまま含む派生データベース(Derivative Database)を区別しています。ODbL第4.5条により、Produced Workの作成は、第4.4条が定めるShare-Alike(同一ライセンスでの再配布義務)の対象になるDerivative Databaseの作成には該当しないとされています。ただしODbL第4.3条により、Produced Workを公に利用する場合も、そのコンテンツがデータベース由来でありODbLの下で利用可能である旨の告知義務は残ります。一方、生データをそのまま含むDerivative Databaseを公に利用する場合は、ODbL第4.4条により、ODbL・その後継版・互換ライセンスのいずれかで提供する義務があります。

論点5: 3つの体系を並べて見る

ここまでの内容を、比較する形で並べておきます。

観点政府データ(e-Stat・国土数値情報)OpenStreetMap
根拠となる規約政府標準利用規約2.0版(e-StatはCC BY 4.0とも互換)ODbL(Open Database License)
出典の基本形出典を文章として記載「OpenStreetMap」へのクレジット表記
推奨される書き方「出典:A省ウェブサイト(該当ページのURL)」「© OpenStreetMap contributors」+openstreetmap.org/copyrightへのリンク
加工時に足すもの加工した事実の表示(e-Stat)/加工時の記載例(国土数値情報)Produced Workでも、データベース由来でODbLの下にある旨の告知(第4.3条)
条件の一律性国土数値情報はデータごとに条件が異なる場合があるProduced WorkとDerivative Databaseで扱いが分かれる(第4.4条・第4.5条)

共通しているのは、どちらの体系でも「出典を書けば終わり」ではなく、加工した場合には追加の表示が求められるという構造です。型が違うだけで、原則そのものは似た形をしています。

論点6: タスデータでの出典表記(実例の開示)

実際にどう書いているかの一例として、タスデータが加工済みのCSV・Excelに添えている出典表記を示します。engine/tasdata_engine/io.pyATTRIBUTION_LINESという変数に定義されており、Excel出力時は「出典」という名前のシートにそのまま書き出されます。

このファイルの追加列は、以下の公的データを加工して作成しています。
出典: 国土交通省「位置参照情報」(https://nlftp.mlit.go.jp/isj/)
出典: 国土交通省「国土数値情報」(鉄道・駅別乗降客数・行政区域・医療機関・1kmメッシュ別将来推計人口)(https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/)
出典: 総務省統計局「国勢調査」地域メッシュ統計 (e-Stat)
© OpenStreetMap contributors (ODbL)(周辺施設の件数の一部)

生成: タスデータ (https://tasu-data.com)
位置情報・統計値は参考情報です。各行の「位置精度」「要確認」列をご確認のうえご利用ください。

国土交通省提供の複数データは1行にまとめず出典ごとに分けて書かれており、OpenStreetMap由来の項目には「© OpenStreetMap contributors」の表記とODbLの明記が別立てで添えられています。政府データとOpenStreetMapで書き方の型が違うという、ここまで整理してきた内容がそのまま反映された形です。

オープンデータの出典表記は、1つの型をすべてに当てはめられるものではなく、データの出所ごとにルールが定められている、という前提に立つと整理がしやすくなります。政府データは規約に示された文章型の出典、OpenStreetMapはクレジット表記とリンクという型で、どちらも加工した場合には追加の表示が求められる点は共通しています。

タスデータでは、公的データやOpenStreetMapを加工して作った項目に、それぞれ出典を明記して届けています。
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